中小企業では、経営者自ら取引先を開拓するための商談が経営に重要な影響を及ぼします。
商談を成功に導くためには、商談にふさわしい場所を確保していくことが必要です。
例えば、タバコのにおいがする部屋や狭い部屋に通されれば、取引先に良い印象を与えませんし、信用を失うことにも繋がります。
そこで、商談にふさわしい部屋とはどういったものなのか、また、どのような部屋の演出が必要なのかについてご説明します。
商談は営業活動の原点
中小企業は、経営者が先頭にたって生産もしますが、同時に取引を成立させて、仕入れ、販売をする必要もあります。その意味で、商談は、中小企業の経営の原点と言うことができるのです。
商談が成立しなければ、注文を取ることも、仕入れることもできないのです。したがって、商談を成功させることが、営業活動において一番重要なことだといえます。いくら、優秀な技術、製品があっても、買ってくれる取引先がなければ、経営は成り立ちません。
そのために、商談を成功に導くポイントをしっかりと認識して、準備をしておく必要があるのです。
商談を成功させるためのポイント
では、商談を成功させるためのポイントとはどのようなことなのでしょう。
商談には、当然相手がおり、その相手に嫌な思いをさせることは避けなければなりません。気持ちよく取引に応じてもらうためには、優秀な技術や製品だけでは成り立たないのです。そのために用いられるのが、多額の交際費をかけた接待などの方法です。
しかし、中小企業の場合には、大企業のように高い接待交際費を使って取引をとってくることは難しいと思います。
商談を成功させるためのポイントとしては、
- 事前に売り込むべき製品のポイントと、商談の進行方法を確認しておく
- 商談を円滑に進めるための部屋を準備する
- 身だしなみを整える
- 時間に遅れない
- 取引先の意思決定者を見極める
- 必ず次の取引段階に進めるように終わらせる
などがあります。
これらのポイントで見落とされがちなのが、商談に使う部屋の準備です。いくら、準備を綿密にしても、取引先の意思決定者が部屋に入ったとたん、嫌な思いをさせてしまうようでは、取引を成立させることはできません。
商談を成功させるには、ふさわしい部屋が不可欠
では、商談をスムーズに行える部屋とはどのような部屋なのでしょうか。
当然、商談はビジネスライクに行われますが、商談そのものをするのは人間です。人間には、部屋に入ったときに感じる感情があります。入った瞬間に、嫌な思いをすれば、それだけで取引に対する意欲を失うこともあるのです。
商談にふさわしい部屋の条件
では、商談にふさわしい部屋の条件を考えてみましょう。例えば、日本では、「おもてなし」という言葉があるように、商談相手をいかに気持ちよく納得させるのかがそのポイントです。
取引相手が通された部屋に入ったとたん、「この部屋の雰囲気は素晴らしい」と思ってもらえる部屋であることが必要なのです。
(1)広さに余裕がある
商談をする部屋は、適度に余裕があり、使用する人数に対して広めの部屋を用意するのが良いでしょう。またお茶を出すために周囲の空間に余裕があるほうが良く、さらには整理整頓がされており、清潔感がある部屋という点も大切なポイントです。
最近は、商談にノートパソコンやタブレットパソコンを持ち込むことも多く、書類やパソコンを開いても大丈夫なようにある程度の机の広さも必要です。
商談相手に、窮屈な部屋にいるという印象を与えないことが重要です。
(2)適度な照明
照明は当然明るくなければなりません。商談ですから、書類などがよく見える必要があります。また、プロジェクターで説明する場合には、照明の明るさを調節できる機能がある部屋が理想的です。少なくとも、カーテンやブラインドなどで暗くすることが可能な部屋にしましょう。
(3)変な臭いがしない
会議室などを使って商談をする際には、タバコの臭いがする場合があります。最近では、タバコを吸われないビジネスマンも増えているため、タバコの臭いは避けるべきです。
また、普段は工場の製品置き場として使用している部屋の場合は、その臭いが残っている場合もあります。
したがって、消臭剤などで部屋の臭いを消しておく準備が必要となるでしょう。
(4)適度な装飾
商談をする取引先の方を迎えるのですから、ある程度の装飾をした部屋が望ましいと言えます。部屋の隅に何気なく観葉植物を置いたり、絵画を掛けておく演出などが良いでしょう。それだけで、何となく、寛いだ雰囲気を醸し出すことができます。
ただし、金の彫り物や趣味の骨董品などを至る所に置いてしまうと、華美な印象を与え、逆効果になることもありますので、注意してください。
(5)快適な室温
室温にも気を配る必要があります。暑すぎず、寒すぎず、その時期の気候に合わせた室内の環境を整えておくようにしましょう。
(6)騒音がない
商談をおこなう部屋が、工場の中にあって機械の音が聞こえたり、古いエアコンで音が大きい場合、話が伝わりにくくなって、商談がまとまらないこともあり得ます。極力音の遮断できる部屋や、独立した部屋などを用意したほうが望ましいでしょう。
まとめ
普段、商談に使っている部屋は、取引を成立させるのに理想的な部屋になっているでしょうか。それが、会社としての分かれ目になることもあり得ます。「おもてなし」の心で、もう一度商談用の部屋を見直してみてはいかがでしょうか。