2019.04.16

ヒットするネーミングのコツ

顧客が商品と向き合う最初のコンテンツの1つに、「ネーミング」があります。
どんな商品でもネーミングされているものがほとんどで、顧客の記憶の中に残すことが可能です。
ネーミングは簡単に誰でも行うことができますが、さまざまな商品があふれている昨今、他の商品に負けることなく顧客に選んでいただくには、ネーミングも戦略的に行う必要があります。

ネーミングの役割

顧客は商品を選ぶ際、何を見ているのでしょうか。

昔のように商品が少なく、選択肢がなかったので仕方なく購入していた時代とは違い、今では山のようにさまざまな商品があふれていて、その中から顧客は気に入った商品を購入します。
では、さまざまな商品の中から選んでもらうには一体どうすればいいのでしょうか。

商品を選定する上で大切な要素の1つに「商品手がかり」があります。
その手がかりの1つとなっているのが商品名=ネーミングです。
商品名=ネーミングは、時に商品特性を一言で表し、時に感覚(直感)でよい商品と思わせるパワーを秘めています。
商品価値を端的に顧客に伝えるツールであると言えます。

つまりネーミングは「1秒広告」の役目を担っていると言えます。

ネーミングの重要性

今ではおなじみの商品も、発売当初はネーミングが悪かった故にまったく認知されていなかったという商品が多数存在します。
とある大手飲料メーカーの今ではおなじみの商品も、発売当初はまったく売れ行きが伸びず、認知されずにいたのですが、商品名を変更することで売り上げが6倍近くまで伸びたという事例もあります。
ネーミングによって顧客は商品イメージが大きく変化し、売り上げにつながるということがよくわかる事例かと思います。

ヒットするネーミングを作成するまでに必要な作業

(1)商品特性を再確認する

この商品はどんなターゲットに向けて開発された商品なのか、どんな特性があるのか等を把握し、コンセプトの再確認を行うことが重要です。
コンセプトの再確認により、どんなことを顧客に伝えたいのか等、要素の絞り出しができ、ネーミングに必要な言葉選びができるようになるからです。
商品特性を再確認し、丁寧なマーケティングを行いながらネーミングを作成することが重要です。

(2)キーワード出し

商品の特性を再確認できたら、まずはひたすらキーワード出しを行いましょう。
自分の頭の中から絞り出すことは限界があるので、関連のありそうな書籍を参照したり、インターネットの検索エンジン(Googleなど)の「検索」を活用するのも一手です。

ネーミングの方法


(1)ビジョンや目的から作る

会社設立時に、社名を作る時などに有効な方法です。
起業するにあたり、ビジョンや想い、目的を込めるのが一般的です。

例)株式会社ファーストリテイリング
「ユニクロ」を運営する会社です。いかにお客様の欲しい商品を早く提供できるか、「ファーストフードのように早い小売り業」という企業精神をわかりやすく社名に表現しています。

(2)キーワードを足し算する

2つ以上のキーワードを足し算のようにつなげるネーミング方法です。

例)マイクロソフト
「Microcomputer」と「Software」の2つの単語を組み合わせた社名です。

(3)キーワードを組み合わせる(掛算)

2つ以上のキーワードと音が被る部分を掛け合わせるネーミング方法です。
2つ以上のキーワードの意味が活きるのがこのネーミング方法のポイントで、商品イメージと一緒に記憶に残りやすいネーミングになります。

例)イマジニア株式会社
「Imagination」(創造力)と「Engineer」(技術者)を組み合わせた社名です。

(4)キーワードを短縮させる

キーワードをつなげた後に言葉を短縮させるネーミング方法です。
人間は一般的に3~4文字程度が覚えやすい=記憶に残りやすいと言われています。
意味はわからなくても記憶に残りやすいというのが短縮させるメリットです。

例)株式会社NTTドコモ
「Do」、「Co」mmunications Over The、「Mo」bileNetworkの頭文字からなる社名です。

(5)文字の一部を変えてみる

キーワードの一部を部分的に変更してみるネーミング方法です。
このネーミング方法は、キーワードのインパクトが薄い時や発音しにくい時に有効です。
まずは基本となるキーワードを選び、その一部を削除したり変更したりします。
ポイントは、イメージをしっかり伝えられるキーワードを選ぶこと、見た目や発音した時の感じを考慮しながら変化させること、イメージを変えない程度に変化させることです。

例)ぷっちょ
お菓子の「ぷっちょ」は、噛んだ時の「ぷちゅ、ぷちゅ」という食感を語呂がよいように「ぷっちょ」と変形させて作られたネーミングだそうです。

(6)接頭語、接尾語を付加する

キーワードの前後に接頭語、接尾語を加えるネーミング方法です。
接頭語や接尾語を加えるだけでも印象がガラリと変わるネーミングが可能です。

例)ウィンダム
自動車名にも使用されているネーミングですが、「win (英語) 勝」 単語に、接尾語「dom (~の状態)」をつけたネーミングです。

(7)逆から読んでみる

キーワードを逆から読んでみるネーミング方法です。
単純に逆から読むだけでとてもインパクトのあるネーミングができることがあります。

例)ビスコ
お菓子の「ビスコ」は商品コンセプト「酵母入りビスケット」→「こうぼビス」→「コービス」→一部逆から読みで「ビスコ」となったと言われています。

(8)語呂合わせしてみる

コンセプトを表すキーワードを語呂合わせしてみるネーミング方法です。
親しみやすく、コンセプトを伝えやすいネーミングになるのが特徴的ですが、少し軽い印象になってしまう可能性もあるのでコンテンツによっては注意が必要でしょう。

例)GU
ブランドコンセプト「もっと『自由』に着よう」の「自由」から、ジユウ→ジーユー→GUと語呂合わせで変化したネーミングです。

まとめ

ネーミング発想法を活用することで自分の頭の中だけでは思いつかないような、斬新なネーミングアイデアを生み出すことができます。
ただし、あまりにもユニークすぎてコンセプトが明確に伝わらないものになることがありますので十分注意することも重要です。
考えが詰まってしまった時にはネーミング発想法を使ってさまざまなアイデアを出して考えてみてください。