2019.06.17

フォローアップ研修とは?実施のポイント

少子高齢化による働き方改革の中で、研修のあり方にも変化が出てきています。これまでのように、一度研修をしてそれで終わりではなく、研修の効果を確実なものにするためのフォローアップ研修が重視されるようになっているのです。

行政の働き方改革に伴う助成金でも重視されている、フォローアップ研修についてその実施のポイントを中心にご説明します。

フォローアップ研修とは

フォローアップ研修は、すでにおこなった研修の一定期間経過後に、受講者を集めて成果の確認をする研修のことです。研修の効果がどのように発揮され、実践できているかなどを確認して、確実に生産性の向上や業務の効率化につなげるための研修になります。

研修対象者は、次のような内容の研修を行います。
  • 研修効果を振り返る
  • フォローアップ研修開始時点で必要となるスキルや知識を明確にする
  • どのような勉強が必要となるか、また今後の課題の抽出や目標設定をおこなう

本当に生産性の向上につなげるためには繰り返しの勉強が不可欠

最近の中小企業では、人材育成が重要になりつつあり、外部研修などに参加する機会が増えています。しかし、研修内容にもよりますが、一度の研修で学んだことが、すぐに成果に結び付くということは少ないのです。

技能などの研修であれば、その技能を職場で使うことである程度の成果を見せられますが、セールス面や知識面の研修の場合には、一度の研修ですぐに成果を出すということは難しいと言えます。

また、実際に職場に帰っても、その知識などを使う機会が少なければ、なおさら成果は出にくく、いつの間にか知識そのものが忘れられてしまうということもよくあるのです。

そうならないためにも、フォローアップ研修が必要となります。技能などにおいても、どうしても作業は定型化しているため、覚えてきた技能をさらに発展させて習熟するためには、フォローアップ研修が必要なのです。

フォローアップ研修の目的

フォローアップ研修の目的は、研修で覚えた技能や知識をどう現実の職場の中で活かしていけるのか、また、その知識、技能をどう将来的に発展させていくのかを明確にして、業務の効率化につなげる方法を考えさせることです。

フォローアップ研修に対する助成金

経済産業省や中小企業庁などでは、人材育成全般に対して助成金を設けています。人材育成のための研修を計画に基づいて実施する場合には、助成金の支援があるのです。
その人材育成計画の中にフォローアップ研修があれば、その研修も助成金の対象となります。

外部研修などは、どうしても受講料や旅費、材料費などの経費がかかります。
特に、中小企業の場合、一人一人の従業員に対する研修経費は大きな負担です。その意味で助成金を利用していくことは、会社の将来的な人材確保、発展にとって必要不可欠と言えるでしょう。

フォローアップ研修の実施方法

フォローアップ研修を実施するためには、各従業員のキャリアアップを管理して、各キャリアの段階において必要となるフォローアップ研修を組み込んでいく必要があります。

ただし、単にキャリアのみを見るのではなく、業務の経験、適性に応じて受講するフォローアップ研修を選択していく必要があります。

フォローアップ研修の効果向上のための3つのポイント

フォローアップ研修を実り多いものにするには、以下の3つのポイントを意識して行うことが重要です。

(1)研修で学んだことの実現度を振り返る

第一のポイントは、まず研修で学んだことを、職場に戻ってどの程度実践できているかを振り返ることから始める必要があります。なぜ、実践できなかったのかを考えさせることによって次のステップに進めるのです。

(2)研修で学んだことを実施するための課題を抽出する

研修成果の出ていない原因を明確にすることで、今後、何を課題として解決するべきかを明確にします。上司に対する接し方、現場における行動の変化の必要性、勉強の仕方などの課題が抽出できなければ、解決策も浮かんでこないからです。

(3)研修で学んだことを実現するための目標レベルの設定

課題とその解決策をまとめれば、あとはその解決策をどのようにして実現していくかを計画し、目標レベルを設定します。
例えば、上司との関係に問題があれば、上司と週3回以上昼食をともにするという目標でもよいのです。知識が足りなければ、通信教育で新たな勉強をするという課題も出てくるでしょう。
とにかく、目標を持って課題にチャレンジさせることがレベルアップにつながるのです。

まとめ

研修は、一度限りではなかなか身につきません。フォローアップ研修は必要であり、繰り返し勉強し、目標を持って行動することによって、業務の効率化・生産性の向上に結び付く成果を出すことができるのです。
グローバルビジネスの環境下において、自社の競争力を高めるためにも、フォローアップ研修を取り入れてみてはいかがでしょうか。