2019.06.17

採用面接を紳士的に行うべき4つの理由

採用面接は応募者に対し、貴社の印象を決める重要な要素の1つです。
このため、採用面接は紳士的に行うことが必要です。

本記事では採用面接を紳士的に行うべき理由を4つ取り上げ、それぞれについて説明します。

面接は、応募者が企業を選別する場でもある

面接は、企業が応募者を選別する場であることはいうまでもありません。
その一方、応募者が企業を選別する場でもあります。
もし貴社が「ぜひ入社して欲しい」と思った応募者でも、応募者の方が貴社に不満や不安をもったならば、入社して社業に貢献することはかないません。

このため面接では、貴社が選ばれるための工夫が必要です。
どのような点に注意が必要か、解説していきます。

(1)面接の対応から、職場の雰囲気を推察される

職場の雰囲気は、企業や事業所により大きく異なります。
一方で応募者が入社後、どのような扱いを受けるかは、面接である程度までの推察が可能です。
たとえば面接の場で高圧的な態度を取る企業は、どうでしょうか。
その企業に入社後、応募者が良い扱いを受ける可能性は低いでしょう。

そもそも応募者にぞんざいな対応をする企業は、軍隊的な組織の可能性も少なくありません。
このような企業では上司の命令に絶対服従であるため、職場内での有意義かつ活発なコミュニケーションは期待できません。
従って応募者から避けられる企業となり、人手不足に陥ることが懸念されます。

(2)応募者に選ばれるためには、面接での対応も重要

ここまで解説したとおり、面接1つをとっても企業を知る手段となることを忘れてはいけません。

貴社が応募者に選ばれるためには、面接での対応も大変重要です。
そのためには、紳士的な雰囲気のなかで面接を進めることが大切です。
このことにより、応募者に悪い印象を与えるリスクを下げることができます。

入社しなかった応募者は、将来何らかの形で関わる可能性がある

現在は人手不足のため、採用予定人数よりも応募者の方が少なく、人数の確保に頭を悩ませているご担当者様も多いと思います。
その一方で、応募者の半数以上を不合格とする企業もあります。

貴社を不合格となった応募者は、将来何らかの形で再び関わる場合も少なくありません。
このため、貴社に入社しなかった応募者に対してこそ、丁寧な対応が必要です。

(1)将来、貴社の顧客となる可能性がある

貴社に入社しなかった応募者は、将来の顧客として、貴社の製品やサービスを利用する可能性があります。
どの応募者が顧客になるかは、事前に選べません。
このため、応募者が悪い印象をもたないように注意を払って対応する必要があります。

特にBtoCの企業においては、応募者は将来の消費者として、容易に関わりをもつこととなります。
面接時の対応1つで貴社のファンになることも、逆に貴社の製品やサービスを避けることにもつながります。

従って将来の顧客を増やすという観点からも、入社しなかった応募者への対応はきちんと行う必要があります。

(2)将来、取引先の担当者として関わる場合がある

貴社に入社しなかった応募者は、競合他社に就職するとは限りません。
別の業種に就職し、将来取引先の担当者として関わる可能性も十分にあります。

もしその担当者が過去の面接において、貴社に悪い印象をもっていた場合は、商談において厳しい対応を取られるかもしれません。
なるべくならこのような事態を避け、商談を円滑に進めたいものです。
そのためには、やはり入社しなかった応募者への対応にも留意が必要です。

SNSで評判が拡散するリスクがある

面接においては、常にその内容が世間に拡散されるリスクも考慮する必要があります。
現在では誰でも簡単に、SNSや就活・転職者用口コミサイトへ投稿できます。
特に圧迫面接など、応募者が不快に感じやすい選考を行う企業は、注意が必要です。

(1)投稿するかどうかは、応募者が決める

SNSや口コミサイトに投稿するかどうかの決定権は、応募者が持っています。
またその内容は、応募者が感じた内容が主体となります。

一方で貴社は、何をいつ投稿されるかということについて、応募者をコントロールすることはできません。
そのため、面接では言葉づかいや行動に対して、細心の注意が必要です。

(2)面接を録音する行為は、違法ではない

自分自身が受ける面接について、応募者自身が録音する行為は違法となりません。
つまり、こっそり録音していたとしても、その行為自体は罪に問われないわけです。
従って企業側は、応募者側が録音していることを想定して、面接に臨むことが求められます。

セクハラなど、不適切な行動は訴訟のリスクもある

面接担当者のなかには、応募者に個人的な興味をもつ方もいるかもしれません。
その場合でも、採用は公平に行う必要があります。
間違っても、セクハラなどの不適切な行動は禁物です。
そのような行動は道義的に許されないだけでなく、企業を訴訟や社会的制裁といったリスクにさらすこととなります。

(1)民事訴訟のリスク

セクハラなどの不適切な行動は、応募者に対して深い心の傷を負わせます。
その場合は面接担当者だけでなく企業に対して、民事訴訟を起こされるおそれもあります。
加えて、行政指導を受けることにもなりかねません。

そのためあなた自身だけでなく、企業にも大きな損害や損失(ダメージ)を与えてしまいます。

(2)社会的制裁を受け、優秀な人材を採用できなくなるおそれもある

インターネットが普及した現在、悪い行為は即座に拡散することを忘れてはなりません。
このため「A社でセクハラを受けた」という情報はたちまち拡散し、世間の知るところとなります。
その結果、応募者の減少につながることとなります。
一度インターネットに上げたものは消す事が容易ではないため、企業のイメージダウンにもつながります。

また、特に優秀な人材は会社を選べますから、他の企業に流出することになるでしょう。
従って、優秀な人材を採用できなくなるおそれがあります。

まとめ

面接は応募者に対して、貴社を印象付ける重要な場です。
応募者によい印象を与えられれば、入社への意欲が増します。
一方で悪い印象をもたれれば入社を断られるだけでなく、将来の業績に影響するおそれもあります。

面接で言った言葉は、取り返しがつきません。
そのため面接に臨む際には、常に会社の代表という自覚を持つことが必要です。
そして応募者に悪い印象をもたれないためにも、紳士的に振る舞うことが求められています。